2009年1月25日日曜日

心を鍛える1週間

イクサン聖堂浦の合宿所からコチャンへ移動し、
コチャン伝授館で1週間の練習合宿を受けてきた。
イクサンの合宿にくらべ、立って楽器をしばって練習することが多いのと、
酒文化がハードなのはわかってはいたがやっぱりハードだった。
でも、奇跡的にお腹も痛くならず風邪もひかずに一週間を過ごした。
イクサンの友人たちに、体の大切さをたくさん学んだからかもしれない。

コチャンではやはりチャングを習った。
チャング班は、小学生のチビども5人に、
はじめてプンムルを習う大人2人に、
ソウルからの大学生3人に、
前週からひきつづき残っている大学生3人という
よく言えばバラエティーに富んだ、悪く言えば、
なんとも授業の舵取りをしにくいごちゃごちゃメンバーだった。

担当の先生は、コチャンで私が一番だいすきな
ソンス師匠。過度の熱血漢でおっきくてギターと歌のうまいイケメン。
一番信頼している師匠なので、助けになれればと思い
チャング班の班長になることにした。
しかし。師匠は初日の午前から殺人的な進度で授業をすすめ、
ソルチャング(チャングだけで見せる個人技)のカラク(リズム)を
たった3時間で最初から最後までやってしまった。
ついていける人はついていけるが、はじめての人にとっては
無茶苦茶な授業であった。それに関して大人の生徒と喧嘩になり、
師匠はチャングの撥を叩きつけて部屋を出て行ってしまった。

子供たちはその間サボってMP3で映画を見始め、
年長の子を捕まえて私が本気で叱ったらその子が号泣して宿舎にひきこもってしまい、
ひっちゃかめっちゃかであった。個人攻撃したのが問題だったようで、
その年長の子に、「オンニは冷たくて最低な班長だ、みんなそう思っている」と
さんざんやり込められて、誰が悪いのかだんだんわからなくなる。
韓国語の授業で、子供を上手に叱るシチュエーションの練習なんかしなかったぜ。
誰か教えてくれ。誰かどうにかしてくれ。どうにでもなれ。

と、初日からお先真っ暗であった。どうするカナリ班長!と思っていたら
午後の授業のときに師匠が突然ビールとジュースとお菓子をどっさり買って来て
みんなで話をしよう、というのである。さすがは心の師匠。
どこまでもあなたについていきます・・・・!
班長、ビールをがぶがぶ飲んで一生懸命明るい雰囲気をつくり、
師匠と喧嘩した大人の生徒ともいっぱい話してもつれた関係を解き、
子供達ともなんとか仲直りした。

2日目から真剣にチャングを叩いて走って走って
足がつっぱってまともに歩けなくなってもまた走った。
飲んで飲んで走って走って。食って食って走って走って。

そして昨日は最後の発表会だったのだが、結局サンチャング(チャングの頭)になった。
年齢差も身長差もはんぱない13人が横に2列に並んでソルチャングをやるのは
かなりきびしい条件だったが、順番どおりすっとばさずに最後までやれたので
わりと満足である。実はリハ練習の時の方が断然楽しかったしうまくいった。
走ってる間に、自分が風に乗ってるようなあの感覚。
師匠にあの回を見せられなかったのは残念である。でも、サンチャングとして
一番先頭で走って、後のみんなが楽しそうに踊ってくれた、それだけで十分。
サンチャングとして、チャングチェビ(奏者)としてはこれから勉強することが山積みだけど、
思いがけず精神的に鍛えられて伸びた自分を感じた1週間でした。
下手くそでも変でも信用を得られなくても、最低な人間と叫ばれても、笑
めげずにこれからもはしります。

師匠、これからも、もっともっといっぱい教えてください。と心でつぶやきながら、
白い風にびゅーびゅーと雪がふぶくコチャンを後にしたのであった。

0 件のコメント: