2008年12月31日水曜日

加平の空気

鼻毛も氷る寒さってよく言うけど
実際、氷った経験はなかった。
でも今朝6時前に外を歩いていて、
はじめて「これか!」と思った。
実際氷ったのかどうかはわからないけど、鼻の中が
妙にゴソゴソパリパリと異物感を覚えて、
暖かいバスに乗ったらふわっととけたような感じがした。

江原道加平の合宿所で、後輩たちの太鼓合宿に顔を出してきた。

本当は初日から一緒に行きたかった。
太鼓習いたかった。みんなと仲良くなりたかった。
悔しい思いがつのる。
やっぱり体は資本だなあーーー。。。。
そして、残念ながら大学1年生たちとはやっぱり
体力の差があることをひしひしと感じた・・・・。

2008年12月28日日曜日

ジャンピンショッピンジャイブ

部屋の鏡からこんばんは。



新しい上着を買ったので、今まで来ていた
ジャンパーを洗濯して乾かしている所。
プンムルサークルの友人たちから
「伝授(合宿)専用ジャンパー」
と冷やかされるユニクロの青いジャンパー。
私といつも一緒に走ってしわくちゃにもまれて
酒や醤油をたらしてシミだらけのジャンパー。
お疲れ。しばらくお休み。

明日からソウルよりもさらに極寒の地、
カピョン(加平)へ行く。持ってきたもの全部
重ね着して、苦行の旅にでも出る覚悟がいる。
今日はブーツと手袋も買った。

ぬいぐるみ帽子も準備した。
ぬいぐるみ帽子とは、動物などのぬいぐるみがそのまま帽子になってる
ある意味ダサさを超えたもの凄いファッショングッズなのだが
これが、意外に多くの人に被られているところがもっと凄い。
うさぎ、猫、虎、白熊など色々あるが、私は今回友達にもらった
ゆきだるま帽子を持って行く。帽子をかぶると頭の上に雪だるまが乗る。
本当に馬鹿げた見た目だが、寒い所では背に腹は変えられぬ。
これが意外に貴重な存在となることをわかっているので
ありがたく持って行くことにします。

今日は11時までに寝よーっと。

NewYork Fish

「なぜ、魚なんですか?」



「ははは、それは魚だからだよ、水から出た魚」



黒ぶちめがねに帽子、やぶれたジーンズの大男。
パーカーのフードをキュっとかぶって、
めがねの奥の小さい目はにらんでいるようにも、
不機嫌なようにも見える。
薄いまゆげ、丸鼻、分厚い唇でニカッと笑うとちょっと不気味だ。
とてもとてもアーティスト然としてない。


男の名は魚。
氷るように寒い街を、ギターを背負って泳ぐ魚に出あった。


彼の魔法の箱のようなギターから溢れる音と歌は、聞く者の魂に届く。
全然飾らないのに、世界で一番美しいメロディのように感じさせる。
大音量で鳴るスピーカーがビリビリふるえるみたいに、心が共鳴する歌。

そんな魚と、しゃべった。

しゃべっただけでなく、ライブの後、飲みに行く事になる。
芸術関係ばかりが寄り集まった魚の友達たちと、
一緒に美味しいものをいっぱい食べて飲んだ。
えびワンタン、キムチチゲにタラチリ、エイの刺身、カキの塩辛、トンチミ(水キムチ)。
行きつけらしいその店は、まるで自分の家のようにくつろげる場所だった。
店の人もみんな絵を描く人や音楽をやる人たちらしい。
隣の部屋には、やっぱりインディーバンドのミュージシャンたちが集まっていた。
食べ物の話に音楽の話、映画や美術の話をたくさんした。
魚としゃべると、相手をじっとよく見てちゃんと聞いてくれているのがよくわかり、
彼の歌と同じぐらい人間の奥行きの深さを感じる。

夜中の3時過ぎには、みんなで魚の家に移動して、
ハムサンドとチーズにワインを飲んだ。
彼の愛犬「ポッコム」は中国犬チャウチャウのオスなのだが、
ほとんど熊かライオンのようだ。20年生きるという。
魚の言うことだけはよく聞く。でかいがなんともかわいい。
名前の響きもかわいいと思った。

さんざんワインを飲んでリラックスしたあと、
お酒を飛ばすために魚がラーメンを作ってくれて、食べた。
魚のオモニが作ったキムチは最高に美味しかった。

5時半に家を出ると、外はすでに朝の空気だった。
タクシーを飛ばして下宿に帰ると、夢だったのかなんだったのか
よくわからなくなる。でも、魚の歌だけがずっと頭のなかに残っている。
次に魚にあえるのはいつだろうか。

to be continued

2008年12月26日金曜日

凍えるソウルに三線が響くよ

韓国のめずらしいもの列伝





「梨汁」


のどのイガイガにきくらしい・・・・
下宿のオバチャンが毎日くれる。
味は、梨というよりいつかどこかで飲んだ
ヤキイモの缶ジュースみたいな味がする。
梨のゆるキャラは、ちょっと惜しいが良い線いってる。
効き目は、まだよくわからない。


*********************************



あちこち路面凍結のソウルからこんばんは。
東京で育った私には、この寒さを乗り越える力がまだないようだ。
ノドと鼻の奥が常にキーンと痛く、普段絶対に出ない鼻血が出る。
一体何年ぐらい住んだら、白い息を吐きながら「今年は幾分あったかいな」
なんて余裕ぶって言えるようになるのだろうか。
暖かい所から寒い所へ引っ越した経験のあるひとに是非聞きたい。

寒い夜にせめて心だけでも南に思いを寄せよう、ということで
前日の日記に既出のサンボク君と三線教室をやることにした。
梨大のプンムルペの部室で。(あ、はからずも梨つながり)

プンムルペなので、女子大と言えど部室はハイパー汚い。
飲みかけのコーラやピザの箱や薄汚れた練習着を脇に投げて、
ホットカーペットを最強温度にして、安里屋ユンタの練習。
伴奏の太鼓はよりどりみどり揃っている。
壊れた太鼓は、傾けると皮の内側で割れた木くずがサラサラ言っていて
波音みたいでちょうどいい。

サンボク君はとてつもなく出来た生徒である。

コチャンから帰ってきてから、毎日グーグルで、つたない日本語を駆使して
安里屋ゆんたの演奏動画を見まくったらしい。20種類は見たとか。
ルームメイトも、最初はうるさがっていたが今朝は一緒に「サーユイユイ」
と言っていたらしい。笑 間接的に三線文化が広まってるのが笑える。
そのルームメイトがもし将来、沖縄や、あるいは東京に行って
ユンタを聞いた瞬間にデジャヴに見舞われるのか、どうか。

サンボク君は、もともとカヤグム(韓国の12弦琴)を長年やってるからか、
それとも持って生まれた才能か、めちゃめちゃ勘が良い。
今日はユンタの歌詞まで入れて一番はカンペキに歌えるようになった。
ついでにジントヨーもやってみたらほとんど出来た。
トイレに行って戻ってくる廊下の道で、梨大の見慣れた部室から
三線の音色が聞こえてくるのは不思議だけど風情があって良かった。
サンボク君にご飯おごってもらって帰る。
そこの安飯より、コチャンでサンボク君が作ってくれたククス(麺)のほうが
1万倍旨いと思ったがおごってもらった関係でそれは黙っておいた。

********** ここまで書いて外出**********

これかいてる途中(午後10時)に近所に住んでるYから電話で、一人で飯食うのは
さびしいから出て来いと。下宿のすぐ裏の軽食屋だ。
このノリが可能なのがこの街の魅力。
Yは、帰化したロシア人が書いた韓国についてのエッセイを読みながら
チーズトンカツを食べていた。
本の内容は、堅そうだけど帰化したガイジンが描いた韓国というテーマが
オモシロソウだったので私も借りて読んでみようと思う。
ちなみにトンカツの現地発音は「トンカス」である。
このロシア人もトンカスを食べるのだろうか。
食べながら何を思うのだろうか。

せっかく帰り道でヤキイモを買ってくれたが
お腹がガスガスしそうなので明日の朝チンしてたべることにする。
せっかく体調治ってきたのに今の外出でまた悪くなった気が・・・・

2008年12月24日水曜日

グレートなジャーニーの計画

残念ながら早速風邪をひいて倒れました。
昨日の時点ですでに危なかったのに、
久しぶりにあった音楽の先生とお酒を飲んではしゃいでしまったために
今日は地獄を見ています。学習しない私。あーあ。
この先生(モ先生)はこれからよく日記に登場するであろう。
なぜなら、一緒にあちこちの島に調査の旅に行く事を決めたから。

あまりに自分たちの計画がすばらしすぎてはしゃいでしまった。
体はグッタリしてるが、頭のなかはこれからはじまる怒涛の旅に向けて
めらめら燃えているぜ。では、これからの予定を発表。



12月28日ぐらい~31日

まず、年末には梨大や延大の子達が行く合宿の
サポートメンバーで行く。今の体の状態だと、最後の3日間ぐらいしか
参加できなそうだ。つくづく自分が虚弱で頭にくる。
極寒の地、江原道(ソウルより北)でどこまで耐えられるのか。


1月1日~4日

三が日には太鼓習いに珍島(チンド)に行く。
ソウルよりは暖かそうなので期待している。


1月15日付近

青山島(チョンサンド)という美しい島に三線持って遊びに行くことに。
伝統音楽好きが集まって、おじいさんおばあさんが住む海辺の家で
酒を飲みながらセッションをするという大人の会。モ先生も一緒に行く。


1月18日~24日

コチャン伝授館でプンムル合宿。チャングクラスに入る予定。


1月26日~28日(旧暦1月1日~3日)

慶尚道栄州(ヨンジュ)にある友達の母方の田舎で、旧正月をすごす。
特に何するの?と友人に聞いたところ、
「酒飲むから覚悟しとけ」と宣告される。うおー。



1月末~2月10日付近

たぶんモ先生と済州島(チェジュド)に行く。まだ未定だが。
飛行機代が出ないのでもしかしたら船乗っていくかもしれない。
神秘の島、済州の旧正月行事、めちゃめちゃ面白そうだ。



もし日程がかぶらなければ、忠清道の蝟島(ウィド)で行われる
正月行事、船流し(ティベンノリ)を見に行きたいとも思っている。



2月15日付近

長山島(チャンサンド)の巫家を訪ねる。珍島の隣にある小さな島で、
昔からタンゴル(シャーマン)をやっている一家がいるそうだ。
モ先生の古い知り合いなので、一緒に行って話や歌を聞いてくる予定。



果たしてこのスーパー盛りだくさんの計画を実行できるのかどうか謎。
いや、この計画を見て絶叫している者がいるとしたら、それは私の胃だ。
胃さんと腸さんには頑張っていただかないと。
ソウルにいる間は労ってあげよう・・・

まとまらないコチャンでの思い出、徒然

コチャン。

何度行っても心惹かれるところだ。

現実と夢がせめぎあって、嵐のようにめまぐるしい伝授館。
これほどまでに人間関係の濃い場所は他に見たことがない。

今回は、公演のスタッフという名目で行ったが、
私はとくにあんまり働かなかった、まあやったことといえば
小学生たちの世話係りみたいなもんだった。
マイクや小道具の設置なんかもちょっとやったが。
まあ、ほとんど遊んでいた。







公演前に、ひっそりと出番を待つ農旗と団旗。
「農者天下之大本」。良い言葉です。

おいしかったものフラッシュ

①行きに寄った天安(チョナン)のスンデクッパプ。

天安はスンデで有名らしい。
スンデクッパとは、血のソーセージと臓物系のいろいろが入ったスープに
白いご飯をぶちこんで食べるロックなフードである。



②星松飯店のチャンポン

伝授館は、高敞郡星松面(面が日本でいうとたぶん区にあたるのかな)
にあるのだが、伝授館から車で5分ぐらいのところにある
「星松飯店(ソンソンパンジョム)」という中華料理屋が、伝授館一番の
行きつけの店だ。量がむちゃむちゃ多い上に、スーパー旨い。
名物の海鮮チャンポン麺を頼んだ。アサリ、イカ、タコ、エビ、キクラゲ、
水餃子、たけのこ、野菜盛りだくさん、食べても食べても全然減らない。
値段はたしか5000ウォン(400円ぐらい)だったと思う。
他人には教えたくない店、と伝授館の人々はいつも言う。




③あわび、カキ専門店「ミヒャン」のカキご飯

ミヒャンは、高敞邑内(つまり市内)の、城跡公園の目の前にある。
城跡を登って、ハイキングしたあとにどうぞ。
アワビも気になったが、カキご飯を頼んでみた。6000ウォン。(500円ぐらい)
これが、絶妙な味で日本人好み。
セッサクと呼ばれるピヨピヨした若芽(カイワレみたいなの)の食感、
カキとトビッコと海苔をまぜまぜして、その上に特製醤油タレをかけて
食べる。絶妙なマッチング。いつかコチャンに行くチャンスがあったらおすすめです。



④羅錦秋先生のお手製キムチチゲと大根の胡麻和え



女性農楽団というのがあるんだが、そこでサンスェをやってらっしゃった
羅錦秋(ナグムチュ)先生という、偉大な先生が家を新築したので
コチャン伝授館の一同と共に、扶安まで行ってきた。
偉大な先生だが普段は普通のオバチャン。
みんなのために作ってくださったキムチチゲが本当においしかった。
サイドディッシュの大根の胡麻和えは、にんにくがかなり効いていて、でも
さっぱりしてておいしかった。ご飯大盛り2杯も食べた。




雪降る中、伝授館で三線を弾きまくった。
一個年上のサンボク君は、三線にすっかりはまってしまったらしく、
暇な時間ができるたびに「教えろ」というので熱心に教えてあげたら
1日で安里屋ユンタをカンペキに弾けるようになった。
もともとカヤグムやってる人だからか、天才的に早いスピードでマスターした。
工工四も読める。「金やるから次来る時は三線買って来い」だって。うふふ。
三線伝道師になりつつある私。

ギターと歌がめっちゃうまいファンキーなスンファン兄貴とは、
セッションをやった。いまのところレパートリーは
アリラン、ヘイジュード、カントリーロード、
パラミプッロオヌンゴッ(「風の吹くところ」金光石のフォークソング)の4曲。
三線コリアンフォークという新しいジャンルを切り開きます。わはは。

2008年12月21日日曜日

コチャンよいとこ一度はおいで

全羅北道、高敞(こちゃん)郡。
高敞農楽伝授館の事務室におります。
昨日おとといは、公演準備と公演当日でめまぐるしく忙しくしてたのが
今日はパタリと暇。ゴロゴロ過ごしています。
昨日の夜は、公演を終えて市内(邑内)で軽く打ち上げ・・・のはずが
夜中の2時までタッカルビに焼酎をハイスピードで
ガバガバ飲んでみんなえらいことになった。
公演のあとはいつもそういうものである。

コチャンでのできごとは、明日ソウルに帰ってから
写真を交えて書こうと思います。

2008年12月18日木曜日

A rolling stone gathers no moss

「ロックな女子は荷物がミニマムである」

と、『6×9(ロック)=54箇条』の第32条にある。
アラスカに行くにも、アマゾンに行くにも、コチャンに行くにも、
財布と文庫本とアイポッドだけ持って行く。かっこいいじゃないですか。
「よっ!元気?」
ジーパンに革ジャン、ウェスタンブーツで
身軽なバックパックを肩掛けにして、砂埃を背景にして手をふりながら登場。

とはいえ、全くそうならないのが現実。
アイポッドは死期がせまっているのか1時間で充電が切れるので
充電器もいるし、明後日公演があるので録音録画いろいろ準備がいるし、
寒いだろうからホッカイロ、あ、行きの車のなかでたべるミカンいれなきゃ、
そうそう、向こうで酒のつまみに食べる煎餅アソートも・・・・
あ、やっぱり三線持って行こうかなあ、どうしようかなあ。
なんていってるうちにどんどんロックじゃなくなっていく。
まあ理想はあくまで理想ですから・・・。

というわけで、今日から4日間全羅道は高敞(コチャン)へ行って参ります。
コチャンに「文化の殿堂」というドンキホーテみたいな名前の
文化会館が出来たそうで、農楽保存会でその開館祝賀公演をやるらしい。
その後援スタッフとしてお手伝いをしてきます。

韓国に来て今日で1週間だ。
下宿があまりに居心地よすぎてあんまり出かけたくない
気持ちになってしまうんだけど、やっぱりこれじゃいけない。
苔が生えないうちに、いざ、南へ!出発!

2008年12月17日水曜日

勝手にソウル博物館振興協会2

勝手にソウル博物館振興協会2
今日は、安国に用事があったので
ついでに仁寺洞の隠れた名博物館探しをすることにした。
観光案内所で聞こうかな?と思いつつ、テキトーに小道に入ると
博物館の字が。おらはなんて勘がいいんだ。
しかもここに置いてあるものがとても素晴らしかったので紹介します。

① ボナ(寶娜)装飾博物館
http://www.bonamuseum.com/main.asp



主に簪や櫛など宮廷女性の装身具や、
韓服、ポジャギ(韓国伝統パッチワーク)、
木器(家具)などが置かれている。
個人的に、特に家具がよかったように思う。
丁寧に作られている古いものって、本当に何年も使えるのだ。
木のあったかみ、堂々とした重みにうっとりした。
盛岡で家具を作っている現場を見てきたからか、親近感がある。

しばらくジロジロ見回していると、奥からお上品なおばさまがやってきて
ここは初めてかと聞く。館長さんだそうだ。
通りすがりで入ったと言ったら、びっくりしていた。
いやむしろ、ポスターやネットでわざわざ調べてきたわけじゃないことに
大変がっかりしているようでもあった。
通りすがりの客の方が貴重じゃないか・・・。
横にいて色々説明してくれるのはいいが、言葉の末尾が全部
「だからうちの博物館の所蔵品はどこと比べてもすばらしいの」
だったのでだんだん嫌になってくる。笑
まあいいや、なにしろ物に罪はない。良い物は良い。
目玉品の刺繍入り枕。



枕のなかが6つの部屋のようにわかれているため、
型崩れしなく何十年も使えるそうだ。
作るのが大変なので大変高級品なんだとか。
館長ご自慢の展示です。

この後用事があったので早く出ねばならず
館長の名前も聞き損ねたがまた行く事にしよう。

実は今日行ったわけじゃないけど
仁寺洞におすすめの博物館がもう一つあるので紹介しときます。

② 木人博物館
http://www.mokinmuseum.com/




ここはスーパーおしゃれです。
まずツタの絡んだ外観からして素敵。
サイトもかわいいんで興味あったら見てください。
屋上に二人乗りの木製ブランコがあって、陶器なんかが並んでる。
受付でくれるコーヒーを飲みながらぼーっとブランコするのがおすすめ。
夏に行った時の写真。今は寒いから長時間ブランコは無理かな。




建物の話が先になってしまったが、少々展示の内容をば。
木人とは、昔の喪輿につけられた装飾で、死んだ人をあの世に送る時に
寂しくないように一緒についていってくれる埴輪のようなもんである。
それが、めちゃめちゃ手が込んでいて民芸風の可愛さがある。
今言うところの「ヘタウマ」「キモカワ」な表情の人物や動物、化物たち。







これを集めた館長さんは相当の木人マニアである。
夏に行った時ちらっと会ったがしかめっ面で煙草を吸っていて
なんとなく話しかけ辛くて話せなかったのが残念だった。
今度行ったら話してみようと思う。

昨日の錠前博物館もそうだけど、こういう特殊なコレクションを持つ
博物館の館長ってみんな変わっているんじゃないだろうか。
自分が良いと思ったものを集め、みんなにも見てもらおうとする情熱と、
自信と、商売にならない停滞感とがものすごく入り混じった怪しげな匂いがする。
私はどうしようもなくそういうのに惹かれてしまう。

2008年12月16日火曜日

シリーズ 勝手にソウル博物館振興協会1

ソウルで、博物館・美術館と名のつく所を行き尽くそう!
というコレクター魂から、このシリーズを勝手にはじめることにした。
第一回の本日は、
ソウル歴史博物館、農業博物館、スェッテ(錠前)博物館
の三箇所に行ってまいりました。

①ソウル歴史博物館(光化門近く、西大門駅から徒歩6,7分)
ここは別にマニアックでもなんでもないんだけど、
企画展で「ソウル市民寄贈10年の記憶」というのをやっているので
見に行ってみようと思い立ち、ひとつめの博物館に選んだ。
古いものが並んでるだけでウキウキしてくる。
それは誰かが使ったり作ったりしたストーリーのあるものだから、だろうか。
古くて美しいものもいいけど、古くて汚いものも良い。

とくに気に入ったのは、扇風機みたいに見えるけど、
穀類の籾殻を飛ばす農機具(笑)
こういう、「近代」的な機具になぜか心惹かれるんだよなあ。


常設展示で一番気に入ったのは、団扇の柄。
上部分の飾りの所に韓紙の台紙をはさむみたいだ。
色々あっておしゃれ。
まあそんなこんなで、係員にジロジロ見られたり
写真撮って怒られたりしながら観覧を楽しんだ。
それにしても、韓国はやはりカオス。
なにがって、博物館の階段にピザが落ちてたこと・・・・意味不明・・・
あと、券売所の人が、釣りのお札をグジャグジャにしたままくれて、
これ日本だったら制裁を食らうだろうという社会性のなさ。
財布からお金出すのに時間かかると自分の携帯でメールとかするしね。。。

気を取り直して二件目。
②農業博物館(西大門駅からすぐ)
http://www.agrimuseum.or.kr/

ここは立地はわりといいが、誰も行かない。
古い農具が色々見られることを期待していざ入館。観覧無料だった。
そのわりには見るモノがかなり多い。
農具、民具、農作業の四季を表したジオラマも充実してる。

農業の信仰的、文化的側面なんかもちゃんと再現されてて良かった。
ソッテがあった。

ソッテは、竿の上に鳥の形をした人形が乗っていて
村の境目におかれたりする。村の守護神と考えられている。
造形的に、すごく好き。
それから、等身大の昔の生活や市場の再現なんかもリアルで見ごたえあった。
ゆるキャラ発見。

農協のマスコット「アリちゃん」。
韓国語で「アル」は粒、実、玉子という意味なので
農業的な意味合いがあるらしい。が、キャラ自体は至って平凡。
バスに乗って、大学路へ移動。

③スェッテ(錠前)博物館(恵化駅から徒歩5分)
http://www.lockmuseum.org/



ここは、YABAIです。
見るモノ少ないし説明一切ないし入場料5000ウォンと高いけど行く価値ある。
だってなにしろ、全部、錠なんです。特に今まで錠に興味持った事なんて
なかったんだけど、とりあえずオサレな匂いがぷんぷんする。
秘密を隠しているような。あちらの世界とこちらの世界を分けているような。
これもまた、それぞれの持つストーリーが感じられる。
建築も有名な人らしく、打ちっぱなしのコンクリに、暗い展示室で、
入ったとたん鍵がぶちまけられたように壁に張り付いてる。



真っ暗な展示室では、チェロの独奏なんかがかかっちゃったりしちゃったりして、
ますます韓国情緒っぽいというか、おしゃれな空間である。


こんな小箱がたくさん置かれたせまい部屋があったりする。
こういうの見ると鼻血がでそうに興奮する。
これは鍵飾り。
美しすぎて欲しくなる。
魚型の錠前。

カメラの電池が切れたのでたくさんスケッチしてきた。
またいつか、お見せします。
昼も食べずに飛ばしたせいか、帰ってきて夕飯をモリンモリン食べた。
チェユクポックム(豚肉コチュジャン炒め)だった。
ご飯がバスバス入った。
今日は良い一日だった。

2008年12月15日月曜日

トリップしながらトリップ

何しに韓国来たの?と問われそうだが
文庫本を5冊と勉強の本を2冊、日本から持ってきた。
珍しく小説を結構まじめに読んでいる。
今日の昼は梨花女子大のカフェで2時間も本を読んだ。
ちょっと寒いけど、外のスチールチェアに座ってストーブに当たりながら。
隣の女子たちは煙草を吸いながらずっと恋話をしている。
オッサンがスパゲッティを食べながら盛んにスパゲッティについてしゃべっている。
スピーカーからは趣味の悪い今風のアイドルKpopが大音量でかかっている。
そう、こういうのが、いいんだな。と自己満足。
この小説をもう一度読んで、小説のなかの風景を思い浮かべるとき、
きっとこのカフェの匂いや音を思い出すんだ。
トリップしながらトリップするのだ。

夕方、後輩の活動をちらりと見に行き、
若者になじめそうにない雰囲気なので挨拶だけして去り、
同期の子と別のカフェでお茶する。梨大はカフェが10個以上ある。
延大の同学年のTが、プンムルの先生を目指す事を決めたという報告が
今日一番の収穫だった。彼女の打つチャンゴは、繊細ですごくきれいなんだ。
とうとう同期がサブ(師匠)になってしまったのか。
嬉しくもあり羨ましくもあり憧れもするけど、
ますますTの煙草の本数や心の重圧が増えそうで心配でもある。

その後、夜は今働いている友達に会う。
ケーキを食べすぎてお腹がいっぱいで夕飯食べる気になれないので
カフェに行く。今日三回目のカフェ。笑 
カフェ行きすぎ。飲みたいもの無い。笑

ドイツ人と付き合っている彼女。
彼は私の梨大韓国語クラスのクラスメイトだった。
超変なやつで、しゃべるのは遅いし、言うこと変だし、
彼女は彼のどこに惹かれたのか今でも正直なところ不思議なんだが、
確かにものすごくやさしい面はある。コリアンハードコアが大好きだったなあ。
いつだか、ドイツのハードコアを聞かせてもらったが全然好きになれそうになかった。
まあそんなやつなんだが、二人は韓独行ったり来たりしながらうまくやってるみたいだ。
噂をしてたら電話もかかってきた。全然変わってない伸びた話し声になんだか安心する。

さて。明日から何に取り組むか今真剣に考えているところであります。
トリップしながらトリップを合言葉に、スイートな時間を送れるよう頑張りたいと思います。

2008年12月14日日曜日

キテルぜコリアンインディー

昨日の夜中にふと思い立って、今日は弘大にライブを見に行った。
弘大(ホンデ)とは、弘益大学の周辺の町で、
ソウルで一番クラブやライブハウスが多い地域であります。
今日行ったところは、クラブ「打」というライブハウス。
入ったとたんにアジア~ンな香りにつつまれ、全体的に赤っぽい
照明で、アンダーグラウンドな空気が流れている。好きな感じだ。
個人的に奥のほうにチャンゴとプクが積まれているのが気になった。

前に一度弘大でライブを見て、好きになったバンドがいる。
今日は彼らを目当てで見に行ったのだ。
「宇宙ヒッピー」(現地の発音では「ウジュヒピー」)という名前で、
名前からしてかなりファンキー感がプンプンしてる。
曲調は、ゆるり楽~な感じのレゲエから、ぶいぶい言わすファンク、ポップ、
スモーキーなブルースまでやる万能バンドといったかんじ。
編成はギターボーカルとウッドベース、ドラムパーカスの3ピース。

ひと言で、私のタイプど真ん中のバンドだ。
ボーカルがのびのびしてるし、ウッドベースにパーカスという編成も
土くさくて嬉しいポイント。歌の歌詞も、韓国語ベースなのに
なんだか南米の方の風景が浮かぶようなメロディ。
今日最後にやった「広野アリラン」(オリジナル曲)がブルージーで死ぬほどかっこよかった。

しかし。宇宙ひっぴーもすんばらしかったんだが、
対バンの人で、本当にトンデモナイ歌い手がいたためにそっちの印象が強すぎる。
名前は「ムルゴギ」(魚)。
見た目は正直ただの丸顔のオッサン、
一人でナイロンギターぶらさげて入ってきてしばらくギターだけ弾いて、
ああ、コータローさんみたいな感じなのかな、と思いきや、
歌いだしたら世界で一番かっこいいい人みたいに見えてきた。
曲も自分で作っているらしく、歌詞の内容がなんとなく暗いのだがそこに笑いもあり、
なによりも歌がひたすら上手い。口を開けて聞き惚れてしまった。
MCで、昨日お酒を飲みすぎたから今日は調子が悪いとか言い続けてたけど
調子がいいときはどんだけ良い歌うたうんだろう?と気になる。
その辺ですれ違っても絶対に全くわからない、オッサンくさい男だが
自分のためにあんな歌を歌われたら感動して気絶してしまう。といっても過言ではない。
また絶対見たい。けど、この人まじめに活動してるんだろうか?笑
他のロックバンドやギターの弾き語りの女の子も良かったんだけど
とにかく私のハートはムルゴギおじさんと宇宙ヒッピーに完全に持ってかれたのでありました。
こっそり(というか堂々と)ICレコーダーで録音したのでもし気になる方は音源送ります。

プンムル式結婚 つづき

ある日のMSNで

「12月13日に結婚式するんだけど」
「えっまじっすか!」
「来れる?いや、じゃなくて、来い!」

なんて言われると、
無理をしてでもなにがなんでも行こうと思ってしまう。
というわけでクリスマスも年末年始も省みず、12月にこのクソ寒いソウルまで来たのです。

プンムル伝統婚礼式。
実は3月に見たコチャンの師匠の結婚式もプンムル入りの式だったので
はじめてではなかったけど、これは韓国のスタンダードな伝統婚礼とは
一味違うし、そんなにやる人は多くない。やるのはプンムルやサムルの先生ぐらいだろう。
なのに、日本人がプンムル式婚礼をするなんて、これ前代未聞じゃないでしょうか。

場所はソウル大学路(テハンノ)のど真ん中。
二人の所属するプンムルペ「シンパラム」の練習室から、
太鼓を叩きながらみんなで式場まで行進。大音量で進む行進に、
道すがら関係ない人も写真とったり見物したりしていた。
町中を巻き込んでの御祝いである。



式の前に、「ピナリ」という儀式の歌を歌った。太鼓の伴奏に合わせて、
これからの二人の幸せを天に願うものだ。みんな師範級の芸人たちで、
こんなすごい人たちに式をやってもらえるなんてすごい大掛かりなことだ。

式自体は、伝統的な儒教の規則にのっとった厳かなもの・・・ではあったが
司式者のおじさんに指示されて
「新郎は立ちなさい」「座りなさい」「新婦は右の執事から酒を受けなさい」
と言って駒のように動かされているのを見ると、なんだか笑いもこみあげてくる。
見物人もガヤガヤしているし、厳粛なはずの場において
雑然としてる雰囲気なのはやっぱり韓国だなあと思わせる。
K氏があまりにも韓国に同化しているのと、新婦のYオンニがあまり韓国韓国していない
印象だったので、今までは「国際結婚だなあ!」と思わなかった。
でも妹さんたちやお母さんが着物を着ているのを見たとき、
式の進行がサッパリわからないでぽかんとしている日本人の友人たちをみたとき、
そして誰の親戚だかサッパリわからないようなパンチパーマのオバチャンたちが
ワイワイガヤガヤしているのを見て、ああ、これが外国の人と結婚することなんだな!と思った。




本当は何か一芸やるつもりで、
雑色(プンムルのなかの道化役で、楽器を持たずにただひたすら遊ぶ人)をやろうと
考えていたが、前日にビールを飲みすぎたのかやっぱり朝起きられず、準備ができなかった。
とっさに三線を持ってくことに決め、なぜかチボク(プンムルの衣装)は置いてきてしまった。
朝の寝ぼけた状態では頭がまわらなかった。でも、三線を持ってったのは正解だった。
シンパラムの練習室で披露宴をやったのだが、太鼓以外にも
芸を持った人の多い団体なので、民謡あり、ギターあり、踊りあり、というなかで、
やっぱり何か日本のものを!かつノリが良いものを!と思ったので
下手くそだけど、三線がちょうど良かったような気がする。
しかし若干酔っ払って弾き始めがメチャメチャであったことは、
三線弾いた事ある人にしかわからないだろうからまあいいや。笑
シンパラムの人が、太鼓でビートを入れてくれて、日韓、いや琉韓の楽器が
全然違和感なくマッチしていた。みんなサーユイユイしてくれたしね。
祝い節、めでたい節の歌詞をもうちょっとうまく訳せればよかったなあ。
そのあと、新郎イジメの時間がやってくる。
日本の田舎にも似たような通過儀礼の風習があるらしいが、新郎はこれから良い思いを
するにあたって痛い目に合わせられなければならないというわけで
逆さづりにされて足の裏を叩かれる新郎と、その代わりに歌わされる新婦。


まあともかく、式と披露宴を見ていて、第一感想としては
「うらやましい!」
プンムル結婚式がいいとか、披露宴を練習室でやったのが、とかいう具体的なことじゃなく、
喧嘩しながらもお互いの意見をぶつけあって強く惹かれた二人が
家族や友達や、私みたいに出会って数ヶ月なのに来ちゃう人や、ほとんど誰だかわからん
他人たちにまで囲まれて、笑いながら門出を祝ってもらっていることが心底うらやましい。
大勢の人を呼びあつめて楽しませる人に、簡単にはなれないけれど、
文化の壁をとび越えてそれを実現している二人がいることに、乾杯。
これからもお二人とは濃ーいお付き合いができることを期待してやみません。

ケーキには「シンパラム送年会(忘年会)」とかかれている。
披露宴に引き続きシンパラムの忘年会に突入するこの流れも笑える。
なんというか、続きを感じさせる。
彼らの結婚がゴールインでもなんでもなく、スタートであって、それはシンパラムという
団体の歴史にひとつの項目を刻んだ過去であり、明日からは新しい毎日が始まるという
そういう時間の流れを感じさせる。
それがプンムルクッという芸能の概念と重なっていて胸を打つ。

プンムル式結婚

とても良い友達ができた、と、去る今年3月に思った。
日本では年上でも友達なので気楽で良い。
とにかく、濃い友人が出来たと思った。それがK兄だった。
今日はK兄の結婚式だった。
伝統婚礼式+プンムルという、韓国でもめったにない濃~いスタイル。
十分に楽しませていただきました。
二次会でマッコリを飲みすぎて頭痛がひどいので、
くわしいレポートは明日にでも。

2008年12月13日土曜日

下宿が素晴らしすぎる件について















下宿入居完了。
ついた瞬間朝ごはんを食べさせてくれ、
それが住んだらリンゴと柿が出てきて、
荷物ひらいて一度出かけて戻ってきて疲れてごろごろしていたら、
下宿のおばさんが部屋の合鍵を作りに行ったついでにタイヤキを買って来てくれた。
なぜか、日本のタイヤキより旨く感じる。油がしみこんでるジャンク感が良い。
ちなみにこっちではプンゴッパンという。(鯉パンという意味)
しっぽらへんの、油と小麦粉の具合がなんともうまい。
部屋は何もないので殺風景だが、広くて貧乏くさくはない。
テレビはなかった。でも昨日モーテルでテレビ見て、
テレビなんかなくていいやと思ってたとこだったのでちょうど良い。
ここは新村(シンチョン)というまちの、延世(ヨンセ)大学の裏門地区で、
たいがい男の子率が高い。住んでる人はほとんど延大生。
この下宿には、主人のおじさんおばさん他、延大生が13人住んでいるそうだ。
家に住まわせてもらうという感じで、すごくアットホーム。
おばさんおじさんがめちゃめちゃいいひとなので、迷惑かけないように
気をつけながら自由にやらせていただこうとおもっている。
というか、下宿の居心地がよすぎて外に出なくなりそうでこわい。
今日は携帯を買おうとしたが事務的な問題で色々ひっかかり、買えなかった。
ここは本当に外国人の住みにくい国だ。と実感。憤慨。
でもイライラしてもしょうがないので、久々にプンムルサークルの友人たちに会って
楽しくお酒を飲む事にした。待ち合わせは梨花女子大正門。
梨花の正門はどこが門なんだかよくわからない門で、いけてない。
したがって、大勢の人が散漫に待ち合わせのために立っている。
私の待ち人はなかなか来ない。体が芯から冷える。東京とは比べ物にならない寒さだ。
現われた友人は、今日は春みたいな暖かさだと言い張っていた。
夕飯は、カムジャタン(ジャガイモと骨付き肉の辛い鍋)を食べに行き、まあ一杯やり、
そのあとまたホープ(ビールバー)に行った。「30台の頃に」という渋い名前のホープだ。
なんとなく古いフォークがかかっていて郷愁を帯びている。
ケチッこくくれるこま切れのチーズがやたらに旨い。ただし、小さい。
口から先に生まれたようなプンムル女子が3人加わって、恋話に花が咲きまくる。
黒ビールのBECKSをあおって、ぎゃーぎゃー騒ぎながら
12時過ぎまでしゃべって今帰ってきた。
帰る道で、「あの人どうしてるかな」と思った子にその場で遭遇。
自分の透視能力(じゃないとおもうけど)にびっくりして声をかけるが第一声が
「お前酒飲んでんな・・・・」
「(・・・・感動の再会の言葉はないのかよ!)はいすいませんね、あんたはこれからどこへ?」
「勉強だよ、明日試験」
「ああ、そうですか。。。がんばって・・・」
なんともつれない野郎である。
ちょっとぐらい驚いたりへーとかおーとか言やあ良いのに。
明日はビッグイベントのある日です。
ちゃんと起きられますように。

2008年12月12日金曜日

とーちゃく




空港はどこかよそよそしくて、慣れなくて嫌いだ、
成田空港はいまいちだと思ってたけど、
夜の飛行場はなかなかいい。
デッキで甘ったるいカフェモカを飲みながら
夕日をバックに轟々いいながら行き交う飛行機を見てたら
めっちゃスイートな気分になった。ふ。
出発寸前に飛行機の窓から見える誘導のネオンも宇宙っぽくていい。
エレクトリックな音楽を爆音で聴きながら窓見てたら、
映画のイントロ部みたいな気がしてきた。
今回の旅はそのまま映画がはじまったつもりで行きます。
もちろんミニシアター系で。

にしても荷物が重かった。
スーツケースは20キロ悠に超えて中身出す羽目になった。
三線もあるしパソコンかばんもあるし、現金十数万もってるし、
守らなきゃいけないものがあると人間は弱くなる。
二つも三つもあったら意識が大散漫。
テッシュひとつ出すのに全身でひっちゃかめっちゃか。
あの子大丈夫かな、みたいな目でみんなに見られる。うるせーやい。

インチョン空港に着いた。やっぱり韓国は寒い。
友達に到着を知らせる電話をしてる間に、
乗らなきゃいけないバスが目の前で行ってしまったため
20分も外で待った。寒い。息白い。
隣のカップルが猛烈にべたべたしている。このやろう。

そしていま。
新村のラブホに一人でおります。
外で酔っ払った大学生の子たちが、五人ぐらいで
ケンケンでどこまで歩けるかをためして派手にひっくり返って爆笑していた・・・
小学生男子的ノリだなあ。。。
新村はいつきても、久しぶりな感じのしない町だ。
店は入れ替わりが激しいが、どんなにブランクがあっても
昨日まで普通に暮らしていたような気のする変な町。
酔っ払いと、ゲ■と坂と車の多い町。
午前1時から盛り上がりを見せる町。

好きってみとめるのは悔しいけど、帰ってきてしまう、
ここは新村。
明日の朝、下宿に入ります。ではここいらで。

2008年12月5日金曜日

いい日旅立ち 三線を道連れに

マイ三線君。

韓国に持っていくことにしました。
レパートリーが・・・あまりないのですが、それでも。
今日三鷹の三線会「テーゲーの会」で歌って
あまりに気持ちよかったので持ってくことを決心しました。重いけど。
文庫本よりコンピューターより、心強い2ヶ月半の旅の友に
なってくれることでしょう。

一人飲む夜は 寂しさがしみるヨー 日本なちかしヤー
ジントヨ 歌でごまかすヨー
ジントヨー朝からキムチ ジントヨー夜中に焼き肉

てな感じで、ソウル下宿4畳半ジントヨー、歌詞増やしてきます。
オンドルで乾燥しすぎて壊れないか、と、
下宿のおばさんに怒られないかがちょと心配ね。

2008年11月23日日曜日

旅人宣誓!

昨日までの1週間、岩手は盛岡へりんご収穫のお手伝いステイにいってきました。
お手伝いというよりお邪魔というか、しゃべくってばかりいましたが、家族との
ふれあいは、 そりゃもう、簡単に表現できないほど今後の私を変えていくものでした。
農作業や、意外に多い事務作業、家事、家族全員の共通の話題である「さんさ踊り」
のこと、 食べ物のこと、家族の色々なエピソード、そして単に気候ひとつとっても
全てが新しく、 驚きとニヤニヤの連続でした。着いてから、帰る最後の瞬間まで
笑っていました。

で、問題はどうも次の韓国への「長期調査旅行」(半分嘘)の士気が
あまり上がらないのです。 行く前は、寒さに慣れるにもちょうどよし、
ひとと触れ合うということに関してもウォーミングアップ になるし、とか
勝手なことを考えていましたが、あまりに日本の暖かい家族の素晴らしさに
触れてしまったため今はちょっと外に出る事に臆病になってしまいます。
外国に2ヶ月も行くからには、ダラダラしてないで、猛獣が肉を
貪るように色んなものに 出会ってこなくちゃいけないのです。
しかしどうもそのアドレナリンが発せられない。
タウリンを摂取して肉体労働をするように、今日から私はまた東京での雑多で
めまぐるしい 生活のなかで、頭への刺激と栄養を補給しながら人生へのヒントを
得ていく。

I AM A 都会人。

知る事に対して貪欲でない私は私じゃない。という暑苦しい信条のもと、
韓国旅行への意欲を高めていくのだ。2ヶ月走り続けるための燃料を準備するのだ。
エイエイオー!

2008年11月12日水曜日

ひさびさに

ブログというものを再開させてみる。
一応誰にでも見られるということを前提に、旅の記録をつけていこうと思う。
旅の記録だけじゃなくて、おいおいナグネの宣伝、活動報告にも使うかもしれない。

よろしくおねがいします。

ハングルもかけるようです。
안녕하세요. 감사합니다.