2009年2月11日水曜日

ごぶさたしております

霊光右道農楽伝授館から、バスに乗って光州へ、そして
光州空港から済州島に飛び、四泊五日の夢の宴を終えて帰ってきた。

蝟島での出来事も霊光での学びも整理できないまま済州の旅も
終わってしまった。宿題はつもるばかりであります。

済州の旅は、一言で言えば「いかに酒を旨く飲むか」を極めた旅だった。
計画当初の目的は、立春、テボルム(旧暦の満月の日)周辺に
各村々で行われるクッを見に行くことだった。
神聖な祭儀であるクッは朝5時、6時といった早い時間から行われる。
したがって、夜中まで酒を飲んでいると、見に行くのは人間的に不可能である。
一緒に過ごすメンバーからして無理であった。笑

蝟島に一緒に行った民謡、童謡の研究者であり作曲家でもあるモ先生、
晋州で小学校の先生をしていて、民謡も上手いクォン先生、
そして済州島で迎えてくれる人々は、皆それぞれ「よく食べよく飲みよく遊ぶ」
「広大(クァンデ)気質」の人々である。広大とは、韓国の芸能者のことで
楽器、歌、踊り、芝居、道化などを見せて僅かな金を稼ぎながら放浪していた
人々である。そういった芸人の気質を持ち合わせた現代人もいるということであって
実際芸人として暮らしているわけではない。それぞれ教育に関わる仕事をしている。

そんな人々が集まって、旅をしながら田舎の年寄りたちに昔の歌を尋ねる。
おばあさんたちの心の中にだけ存在する、消えかかった歌を記録に残す。
そしていずれその歌を、子供たちに伝えていく。全国でそういう活動をしている。
情熱あふれる仲間たちである。

会えば飲みながら歌って踊り、うまいものをひたすら食べ、
楽器片手にカラオケルームにこもって機械を放ったまま4時間も遊べる人々。
楽器さえ、要らないときもある。スプーンと瓶さえあれば歌があふれるように出てくる。
それも、歌詞がその場で作られた即興のものであるときが多い。
酔っているので内容はたいていどうしようもないが、
その遊び方自体が昔の芸能者のようですごい。

朝5時まで一緒に居ても、話の尽きない仲間たち。
遠いところにいるときも、いつも頭の片隅にこの人々がいるのだと、それぞれが認める。

というわけで、彼らと遊ぶ時間の方が大事だったりして、まともな伝統行事を
ひとつも見られなかったというのはスポンサーである父には内緒である。

彼ら以外にも、大事な出会いがいくつかあった。
今日中に第二部としてアップします。
急に太鼓が叩きたくなってきたので、練習後にまた。

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