2009年2月3日火曜日

霊光で健康を考える

ここ霊光右道農楽伝授館は、霊光の市内(邑内)にある。
田舎には違いないが、それでも町のなかにある伝授館というのは
新鮮だ。コチャンの伝授館は田んぼ畑のど真ん中にあり、
廃校になった小学校を利用した建物がドーンとひとつあるのみで、
まわりには本当に何もない。
ここは、目の前にコンビニもあるし飲み屋もあって不思議。便利ではある。
畦道に沈むコチャンの夕日が恋しくなる事もあるけど、
町のなかの伝授館もなかなか良い。

先生は二人。保存会のサンスェ(リーダー)であり
伝授館の館長である先生と、お連れ合いが二人でやっている。
娘さんがまだ小さくて、ヨチヨチ歩きで伝授館をかけまわっている。
笑顔がスーパーかわいい。
伝授館では、プンムル以外にも剣道やヨガの授業もやっていて、
地域のおじさんおばさん、こどもたちが出入りしている。

先生は、授業中にいろいろためになる話をしてくださる。
体の健康のこと、プンムルの精神、人生のヒントなどなど・・・・
去年の夏にはじめて会ったときは寡黙で気難しい人と思っていたが
全然そんなことなかった。温かみのある人である。

プンムル人といえば、浴びるように酒を飲み
よく食べよく戯れよく働き、猛烈に汗だくになって一生懸命跳びはね、
踊りくるい、仕舞いにはぶっ倒れる・・・みたいな人間が多いと思っていた。
俗世の楽しみを120%満喫するような生き方。
私はそれがプンムルの美学だと思っていたし、今も多少は思っているが
違った考えた方の人に出会って少しずつ変わり始めている。
益山で田舎暮らしをはじめた友人たちも肉とスナック菓子とたばこをやめた。
お酒はちょっとだけ楽しむ程度。彼女たち曰く、
汚れた体からは、澄んだ音や美しい舞は生まれないらしい。
ここ霊光の先生からも今日名言が出た。

「本当に酒を上手にたしなむ人とはどんな人か?
たくさん飲んでひっくりかえっても翌日にひっぱらない、
そういう人が上手い酒飲みとはいえない。
一杯だけ飲んで良い気分になって酔っ払える人が一番幸せな酒飲みだ。」

先生もお酒はそれなりに飲むようだが健康を考えての一言だろう。
あんまり韓国人っぽくないような気がするが、なるほど鋭い見解だと思う。
そういう点ではコチャンやソウルの某Sプンムルペとは天と地の差である。
祭りや公演のときに、ちょこっと酒の力を借りれば
音に勢いが出ることは間違いないし、(飲みすぎると全く使い物にならない。経験済)
徹夜でバカ騒ぎの打ち上げみたいなのもあっていいと思う。
いや、私はむしろそういうのがないといきていけない。
だって楽しいんだもの。
でも長い目で見たとき、やっぱり体を整えるのって大事だし、
体に嘘をついていると人間はまっすぐに生きていけない。
若くても、健康のこと考えてる人って素敵な気がする。

ここのところ練習でひどく膝を痛めてしまった。
病院にもいった。そもそもO脚で、膝の関節に負担がかかりやすいらしい。
レントゲンの写真で、骨と骨がつながっている部分が真っ白に磨耗していた。
まずはプンムルやら踊りやら農作業どころではない。
普段から膝へのリスクを減らす根本的な生活習慣改革が必要になりそうだ。
どうせ死ぬなら100までしっかり食べて踊って太鼓たたいて楽しく暮らさなきゃ!

膝のせいでまともに授業中に体を使う事ができずに
はがゆい思いをするはめになっているけど、そのおかげで
色々な事を考えるようになった。体がだめならしばらくは頭を使おう。

題名も内容もひどく老人じみている今日の日記でした。笑

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