2009年8月14日金曜日

おぼんです

ども。まったりしすぎてもはやフィールドワークなんかでは全くなくなっています。
神楽のことを書く前にさんさの時期になってしまいました。
早池峰についての雑感はちょっと保留してあとで書くことにします。

現在、盛岡の黒川という地区に滞在中です。
黒川さんさ踊りをやっていらっしゃるK田さん宅に
長期でステイさせていただいています。感謝。
今日はお盆入りの迎え火ということで、K田さんちでもお墓参りをしました。
今日のわたしのミッションは仏花を切りそろえることとお供物のための料理。
天ぷらを1時間以上揚げ続けました。最後のかき揚げを揚げ終えた瞬間は、
得体の知れない達成感で満たされていました。笑

うちは父が民俗学者のわりには自分の家の行事はあまり重視していないので、
いままでこうやって先祖を迎えるために提灯を吊るしたり
お母さんがあくせくと料理を作ったりお花を買ってきたりしたことがないので
とても新鮮だった。家の敷地内にもお墓があるので、私もお参りしておきました。
ご先祖様も赤の他人がお盆にやってきて天ぷらを揚げているとは
思ってもみないだろう。。。。笑

明日は盛岡市内の鉈屋町という古い町屋敷の通りで
黒川さんさによる門づけ行事があります。
門づけというのは一軒一軒家を回って庭で踊りや歌などを披露して、
その家の繁栄を願ってあげるかわりにお金やお米などをもらうという行為のこと。
プンムルの「乞粒(コルリプ)」や「埋鬼(メグィ)」に通じるところが多くて
本当に面白い。

太鼓を体に縛り付けて踊る点や、輪踊りが基本である点。
さんさは構成が太鼓・笛・手踊り・道化となっていて、その人数や
順序が入念に会議して決められている点。
そして装束にも共通点が多い。
色とりどりの腰帯をひらひらさせること、花笠をかぶること、わらじをはくことなど。
音楽的に見ると、さんさとプンムルに直接的な関係は全くないのだが、
やはりおなじようにコメを食べ、農業をしているひとたちの芸能というのは極めて近い。
その息遣いや腰の落とし方、踊りに対する姿勢自体がやっぱり
その地に根付いたものであることを感じさせる。
場所も中身も全く違う芸能を比較することに意味はないと
思われるかもしれないが、これだけ近いと感じるこのふたつの踊りを見て
「同じだ!」とうれしくならずにはいられない。

この間の花火大会の公演のときに見たもの。
はじまるまえに親衛隊のお母さんたちや家族が
みんなの帯をしめなおしてあげたり、
太鼓のひもをぎゅっときつく引っ張ってあげていて、
あまりに見慣れたその光景に一瞬目を疑った。
踊り自体だけでなくて、こういう準備の瞬間もプンムルを
やる人にぜひ見せてあげたいなあと思う。

門づけ行事は最近復活されたものだけれど、
昔からのさんさの役割、文脈というものを一番よく意識した行事なので、
明日は本当に楽しみです。

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